オリジナルパジャマの価値
ホテル・旅館における客室アメニティの中で、
意外なほど軽視されがちなのが「パジャマ」です。
アメニティといえば、歯ブラシ、タオル、スキンケア。
内装であれば、家具、照明、露天風呂、景色。
多くの宿がそこに力を注ぐ一方で、「寝る直前・起床直後」に必ず使われるパジャマは、後回しにされがちです。
宿泊体験の“最後の印象”を決定づけているのは、睡眠とその周辺体験です。
本記事では、
- なぜホテル・旅館のパジャマが軽視されやすいのか
- 客室満足度とパジャマの密接な関係
- クレーム・高評価を分けるリアルなポイント
- なぜガーゼパジャマが高評価を得やすいのか
- 導入時に必ず考えるべき視点
を、実際の宿泊施設運営の現場視点も交えながら、深掘りしていきます。
なぜ寝具・パジャマは軽視されやすいのか
「見えない価値」は後回しにされやすい
パジャマは、ロビーにもレストランにも出てこない。
写真映えもしづらく、WebサイトやOTAの訴求ポイントにもなりにくい。
そのため、
- とりあえず既製品
- 価格優先
- まとめ買いできるもの
という判断がされがちです。
“見えない=重要ではない”ではありません。
むしろ、ゲストが一人になった瞬間に使うものほど、体験の質は如実に伝わります。
コスト削減の対象になりやすい現実
パジャマは消耗品です。
- 洗濯回数が多い
- 破れ・縮み・色落ちが起こる
- サイズ管理が必要
そのため、「できるだけ単価を抑えたい」という判断になりやすいのも事実です。
“コスト”ではなく“満足度あたりの投資効率”という視点が、ここで効いてきます。
宿泊体験の「最後の印象」は睡眠で決まる
人は「一番最後の体験」を強く覚えている
心理学的にも、人の記憶は
- 最高潮の瞬間
- 最後の瞬間
によって強く形成されると言われています。
ホテル・旅館において、
- 最高潮 → 食事・温泉・サプライズ
- 最後の体験 → 睡眠・起床
です。
「寝苦しかった」「パジャマが合わなかった」という感覚は、翌朝まで持ち越されます。
朝の一言が口コミを左右する
チェックアウト時、ゲストが口にする言葉は、
- 「よく眠れました」
- 「ぐっすりでした」
- 「朝まで一度も起きなかった」
こうした何気ない一言です。
逆に不満があった場合、フロントでは言われなくても、口コミには書かれます。
- パジャマがゴワゴワした
- 暑くて寝苦しかった
- サイズが合わなかった
睡眠の違和感は、静かに評価を下げていきます。
実際にクレーム・高評価が分かれるポイント
素材への違和感はすぐに伝わる
特に多いのが、
- 化繊特有の蒸れ
- 肌への引っかかり
- 洗濯後の硬さ
一晩中肌に触れるものだからこそ、小さな不快感が増幅されやすいのです。
サイズ・シルエットの不満
「フリーサイズ」は万能ではありません。
- 肩が突っ張る
- 足が短い
- 寝返りが打ちづらい
“宿のせい”として無意識に蓄積されていきます。
高評価につながるのは「何も気にならなかった」体験
逆に評価が高いパジャマは、
- 特別に褒められない
- でも不満が一切出ない
つまり、存在を忘れられるほど自然なのです。
これは決して地味な価値ではなく、高級宿において最も重要な品質のひとつです。
ガーゼパジャマが評価されやすい理由
通気性と吸湿性のバランス
ガーゼ素材は、
- 湿気を逃がす
- 汗を吸う
- 体温を奪いすぎない
という特性を持っています。
特に日本の宿泊施設では、四季・湿度・温泉後の体温変化に対応できる点が大きな強みです。
洗うほどに育つ素材感
ガーゼは洗濯を重ねるほど、
- 柔らかく
- ふくらみ
- 肌なじみが良くなる
「使い捨てではなく、育てるアメニティ」という考え方につながります。
高級感は“派手さ”ではなく“静けさ”
高級旅館・スモールラグジュアリーホテルに求められるのは、ロゴや装飾ではありません。
- 音がしない
- ストレスがない
- 意識しなくていい
ガーゼパジャマは、静かな高級感を体で理解させるアイテムです。
導入時に必ず考えるべき3点
① ターゲット客層と宿の世界観
- カップル
- ファミリー
- インバウンド
- 富裕層
どの層に向けた宿なのかで、パジャマの役割は変わります。
世界観とズレたアメニティは、無意識の違和感を生みます。
② 洗濯・運用まで含めた設計
- 業務洗濯への耐久性
- 縮み・型崩れ
- サイズ管理
「導入して終わり」ではなく、運用設計まで含めることが重要です。
③ “差別化ポイント”として語れるか
今や多くの宿が、設備面では横並びです。
だからこそ、
- なぜこの素材なのか
- なぜこの形なのか
- なぜこの着心地なのか
を語れるパジャマは、宿の思想を伝えるツールになります。
実体験から語れる「zakuro」での変化
ある高級宿泊施設では、パジャマをガーゼ仕様に変更しただけで、
- 睡眠に関するクレームが激減
- 「よく眠れた」という口コミが増加
- パジャマ自体の問い合わせが発生
という変化が起こりました。
派手なリニューアルではありません。
ただ「最後の体験」を整えただけです。
しかしその積み重ねが、宿全体の評価を底上げしていきました。
パジャマは「コスト」ではなく「体験設計」
客室パジャマは、
- 売上を直接生むものではない
- 写真映えもしない
しかし、
満足度・再訪・口コミを静かに支える、極めて重要な要素です。
設備投資の前に、ぜひ一度「眠りの体験」を見直してみてください。
まとめ
TONGARI COMPANYでは、ホテル・旅館向けに オリジナルガーゼパジャマの企画・OEM製造を行っています。
- 宿の世界観に合わせたデザイン提案
- 運用を見据えた素材・仕様設計
- 小ロット・試作対応のご相談
まで、現場視点でサポート可能です。
「うちの宿に合うパジャマを、一緒に考えたい」
そんな段階からでも構いません。
宿の世界観・運用に合わせて、最適な仕様をご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

